2011/11/12
ふみちゃん、屋台を引き継ぐ
大事にしてくれよとキム兄から引き継いだものは、屋台。
その屋台は、幸福荘の敷地に放置されております。
湯婆婆「で、いつまで置いとくんだい」
兄「さっさと処分しろよ、あんなガラクタ」
ふみちゃん「ガラクタってゆーな。ボロいけど、なんかの役に立つかもしれないだろ」
湯婆婆「その考え方は感心だね。貧乏人としては」
二階堂さんはハローワークにお出かけ。
二階堂さん「ちゃんとした仕事をみつけようかなと思って」
ふみちゃん「どんな」
二階堂さん「条件させあえば、どこでもいいかな」
ふみちゃん「どこでもって。そんな焦んなくていいじゃん」
二階堂さん「私はいつまでもこんな生活したくない。金田一さんみたいに能天気じゃありませんから」
ふみちゃん「のーてんき…」
湯婆婆「はい、朝めしにするよ!」
しかし、ふみちゃんの前にお茶碗がない。
ふみちゃん「あれ?おれの白めしは?」
兄「家賃500円払ってないから、白めし抜き!」
ふみちゃん「ホンキっすか」
それならば炊き出しで補給だ!
兄弟と炊き出しに並んでましたら、以前ふみちゃんを助けてくれたげんさんが体調悪いと聞き、炊き出しもって駆け付けるふみちゃん。
ふみちゃん「どうしたんですか、顔色悪いですけど」
げんさん「風邪、こじらせただけさ」
ふみちゃん「薬は?」
げんさん「ある訳ねぇだろ、そんなもん」
それならば、と元同僚の金で薬を買ってくるふみちゃん。
その薬のおかげもあって。
げんさん友達「ちったぁ落ち着いたみたいだな」
ふみちゃん「じゃあ、俺らこれで帰りますんで」
げんさん友達「何から何まですまねぇ。あんたら命の恩人だ」
ふみちゃん「命の恩人はげんさんなんで」
きらっ!と笑顔で帰っていかれるふみちゃん。
新しい仕事へのとっかかりもゲット。
帰って来て靴を脱いでるふみちゃん
二階堂さんも同じタイミングで帰宅。
ふみちゃん「お疲れ」
二階堂さん「おぉ、正宗さん、どうも!」
ふみちゃん「酒くっせ。あれか、仕事見つからなくてヤケ酒か」
二階堂さん「ははは!見つかりましたよー!さっきまで職場の人たちと歓迎会だったんですよー!」
ふみちゃん「よかったじゃん!俺も明日面接」
湯婆婆「お客さんだよ!」
そう。それはようこちゃん。
湯婆婆「困るよねぇ、ふみくん、他の女も一緒に住んでるって説明したのに♪」
ようこちゃんとふみちゃん
ようこちゃん「会社に戻れないって言ってくれたらよかったのに」
ふみちゃん「言い出すタイミングがなくってさ。でも、今度、今度ね、工場で働けそうな」
ようこちゃん「あのさ、よかったら、私の父に会わない?」
ふみちゃん「え?」
ようこちゃん「父に相談すれば、見つかると思う」
ふみちゃん「でもそれは」
ようこちゃん「なんで?私に借り作りたくない?」
ふみちゃん「ややや、そういうことじゃなくて」
ようこちゃん「ならここから抜け出して欲しい。こんなみじめな生活、いつまでも続けてほしくないし。…じゃまた来るね、考えといて」
ふみちゃん「みじめか…」
面接受けに来たらそれどころじゃなかった
ミラクル魔法瓶の携帯炊飯器を作る会社に面接を受けにきたら、その契約が白紙になるという場面に遭遇。
どななっとんねん!と、責任者なかい部長をミラクル魔法瓶本社で直撃!
ふみちゃん「あ、どうも♪」
行っちゃおうとするなかい部長。
ふみちゃん「いやちょっと待って下さいよ」
なかい部長「おまえはもうこの会社とは関係のない人間だ」
ふみちゃん「いや、そうですけど。実は俺、相模川製作所で働こうかなーと思ってて。で、向こうで聞いてたんですよ、契約白紙って。しかもいきなり。それ、どうしてなんすか?モアイさん、前に言ってたじゃないですかあの会社は技術は確かだし、仕事は誠実にこなしてくれるって。なのに、え?何でなんすか」
なかい部長「このミラクル魔法瓶を生かすためだ」
ふみちゃん「そのためだったら、下請けの会社どうなってもいいんですか」
答えずに行っちゃうなかい部長。
ふみちゃん、うぬぅ…!
それでもなかい部長を信じてるふみちゃん
幸福荘でその話をしていると、やっぱりどうしようもない人なんですよと二階堂さんに言われる。
ふみちゃん「まぁでも、あれは本心だとは思わないけどね」
歯磨きしゃかしゃか。
二階堂さん「あの。ここまで来てまだかばうなんてお人よしすぎですよ」
ふみちゃん「いや、まだまだでしょ」
昔理不尽な取引先でかっちょよかったなかい部長を思い出す。
なかい部長「それでは、御社との契約を解除させていただきます。失礼しよう」
ふみちゃん「はい」
取引先「自分が何言ってるか解っているのか!」
なかい部長「解っていると、思います」
回想シーンのなかい部長には存在感が!
ふみちゃん「それまではすんげーおどおどしてたのにさ、相手突っぱねた時のモアイさんつったらすんげえ迫力で。その後大目玉くらってたけど。俺、そういうの見てるからさ。わ、つば出てきたやべやべやべ!」
慌てて部屋を出ていくふみちゃん。納得いかない二階堂さん。
ふみちゃん、相模川製作所で試用される。
ミラクル魔法瓶からの新しい提案は、一週間で3000個。
ふざけんな!といきり立つ社員を止めるふみちゃん。
相模川さん「大変失礼いたしました一度、検討させてください。明日までにはご連絡いたします」
なかい部長「よろしくお願いします」
帰るなかい部長を追いかけるふみちゃん。
ふみちゃん「モアイさん、あのー、ありがとうございました。いや、いきなり契約を切るんじゃなくて、一回チャンスをくれて」
なかい部長「チャンス?」
ふみちゃん「いや、モアイさんも信じてるんじゃないですか?ここの人たちだったらどんな厳しいノルマを与えてもクリアしてくれるって」
なかい部長「さっきの社員を見ただろ無理なんだよ、あんなノルマ。世の中には、最初から不可能なことも存在するんだよ。どうしようもないこともあるんだ」
当然、社員はそんなことできねぇ!となおいきり立ち中。今のうちにそこまでの余裕なんかねぇよ!と。
相模川さん「やるしかないだろ。このまま黙って会社を潰す訳にはいかない。とにかくやってみよう」
相模川さんは大変落ち着いた方です。
ふみちゃん「やってみなきゃわかんないですもんね。まだ何にもやってない訳だし。でしょ?あ、俺なんか手伝えないですかね?まだ面接終わってないですけど、試用期間ってことでダメっすか」
相模川さん「ぜひ!これ着て下さい。うちの作業着です」
ふみちゃん「お!あったけぇ!」
しかし、ふみちゃんほど協力する人はそんなおらんとです
沈みかけの船に乗ろうなんてやつはいないんだよと言われても、ふみちゃんは次行きましょう!と言えるけども、相模川さんは落ち着いておられるので、もう結構ですと。
ふみちゃん「は?」
相模川さん「ありがとうございました。彼の言うとおりです。このご時世リスクを承知で助けてくれるところなんて」
ふみちゃん「諦めるの早いですって!あの携帯炊飯器って、ようやくできあがった商品なんですよね?」
相模川さん「社員たちのために、起死回生を狙って開発した商品です」
ふみちゃん「だったら、なおさら諦めちゃダメですよ」
相模川さん「私は、父の跡を継いで3代目です。経営者として、なんとか頑張ろうと思ってましたけどどんなに頑張ったって、最初から不可能なことってあるんですよ、きっと。もう諦めがつきました」
はぁーってふみちゃん
その相模川社長が行方不明に
幸福荘に帰ってきたふみちゃんに、社長行方不明の一報が。
どうやら、あのキャバクラじゃねぇのか、と聞き、やってきたふみちゃん。転ぶキャバ嬢を助けて。
ふみちゃん「お姫様大丈夫?気をつけてねー?」
可愛い!いいなぁ!お姫様言われたいなぁ!
そこに二階堂さんもおり、隠れよう!と思ったけども、隠れられる!訳もなく。
ふみちゃん「え?嘘でしょ」
二階堂さん「うーわ…」
ふみちゃん「うーわ!ちょっとそれ何やってんの!」
二階堂さん「バイトですよぉ」
ふみちゃん「わわわわ」
二階堂さん「もえちゃんの代わりで!」
ふみちゃん「あぁここ!知り合いが来てるかもしれない。相模川製作所の社長さん。こんな」
って、背が低いことを手のひらでアピール(笑)
二階堂さん「相模川さん、先ほど帰りましたけど」
ふみちゃん「マジで!?」
二階堂さん「なんか明るかったし」
ふみちゃん「何話した?」
二階堂さん「家康とか打ち首とか…」
ふみちゃん「打ち首!?何やってんだよ!」
二階堂さん「えっ!?」
相模川さん!早まっちゃダメだって!
川を見下ろす相模川さんを見つけ、慌てるふみちゃんと二階堂さん。
二階堂さん「そうですよ!まだ若いんだし、この先いいことがあると!」
ふみちゃん「一番カッコ悪いよ!?」
相模川さん「(きょとん)私、別に死ぬつもりは…」
ふみちゃん「じゃ何やってるの…」
相模川さん「考え事を…。ところで、お二人はどうして一緒にいるんですか?(帰るふみちゃんたち)ちょっとまって下さい。ちょっと」
まぁ、ホットドックでも
いつものお店でコーヒー飲んでる3人。
ふみちゃん「まじで焦ったんですけど」
相模川さん「これからどうしようか、川でも眺めて考えようとしただけでして」
二階堂さん「できれば川以外を眺めてもらえなかったんですかね」
相模川さん「すいません、さやかさん…」
おっ、さやかさん、さやかさんってなんだ、な感じのふみちゃん」
マスター「おれのおごり!」
ふみちゃん「マジで!これ絶対食べた方がいい!うわ!うめー!久しぶりだけどうめー!」
美味しいホットドックは、ランチで出そうとしたけども、あんまりお客さんが来なくて余ってるっぽいです。
ふみちゃん「こんな美味い物が売れ残るって信じられないんですけど」
相模川さん「うまーい。こんな時でもお腹って減るもんなんですね」
相模川さんは大変落ち着いた方です。
ふみちゃん「これからどうするんですか」
相模川さん「うちの会社は畳みます。もう決めました」
ふみちゃん「あそうなんだ…」
マスター「珍しいね、金田一さんまでそんな暗い顔してるの」
ふみちゃん「ん?俺そんなにいつも能天気っすか?」
二階堂さん「確かに。間違いない。お金も仕事もなく、ホームレス同然なのにいつもどうにかなるよって」
ふみちゃん「ちょ待って待って!ぎりぎり家あるじゃん。だからホームレスじゃないよ」
相模川さん「去年、私の同業者も、仕事と家を失ってホームレスに。腕のいい職人でしたけど…」
手に職あっても、働く場所がないよねーとマスターもしんみり。
ふみちゃん「……(がた!)あ!」
二階堂さん「どうしたんですか?」
ふみちゃん「いいこと思いついた!」
職人さん募集
携帯炊飯器3000個を作るために熟練の経験者がいるんです!とホームレスを口説くふみちゃん。
徳一「それ俺に手伝えっていうのかよ」
ふみちゃん「お願いします」
二階堂さん「いいじゃないですか、暇なんだし」
徳一「暇だとー!?」
げんさん「徳一ー!いや、俺からも頼む」
部屋(?)から出てくるげんさん。
げんさん「こいつらに、おめぇの腕貸してやってくれ」
徳一「なんでだよ、げんさん」
げんさん「こいつは俺の命の恩人だからよ」
徳一「えぇー?げんさんのぉ?」
ふみちゃん「大げさだってもう!風邪ひいたんだからさ!」
げんさん「頼む」
しかし、げんさんは恩義を忘れない人なので、徳一にお願い。
確かに、南極大陸でもこのシーンはあった
相模川製作所ににこにこやってくるふみちゃんと二階堂さん。
ふみちゃん「相模川さん(ちょっとちょっとと手招き)助っ人連れてきました」
相模川さん「助っ人?」
二階堂さん「徳一さんです。元々腕のいい職人さんで、工場も経営されてました。まぁ、その工場は潰れちゃったんですけど」
徳一「余計なこと言うな姉ちゃん!」
相模川さん「ありがとうございます。でも、一人来てもらっても…」
徳一「だれが一人だって言ったよ」
ふみちゃん「鳥肌用意ね」
その後ろからぞくぞくやってくる職人さんたち。
ふみちゃん「みんな、元工場の職人さん」
二階堂さん「みんな、お暇なんだそうです」
こうして相模川製作所はフル稼働できることに。
手伝いましょうというふみちゃんは、事務でもやってろ!と言われたり。
二階堂さんも、バイト夕方からだからお手伝い。
ふみちゃん「ありがとね、さーやーかーちゃん」
二階堂さん「ちょっと!それ言ったらぐーでぶん殴りますよ!」
差し入れにいは、もちろんホットドック。
徳一「何だよ、もっと精のつくもん出せよ」
ふみちゃん「言っとくけど、舐めない方がいいですよ」
徳一「美味いなこれ!」
ふみちゃん「でしょー!コーヒーもありますから、コーヒー」
ようこちゃんから呼び出し
といっても、ようこちゃん、相模川製作所まで来たんですけどね。
ふみちゃん「今から?」
ようこちゃん「今日の夜なら父が都合つくって」
ふみちゃん「仕事あるんだよね」
ようこちゃん「工場の仕事でしょ?」
ふみちゃん「うん、工場の仕事。…いや、俺、ようこちゃんが思ってる程、自分のことみじめだって思ってないんだよね。仕事だから行くね」
ふぅ〜…、ようこちゃん。
締切まで後800!
バイトが終わってからも来てくれる二階堂さん。
二階堂さん「お疲れ様ですーー」
ふみちゃん「わ、来てくれたんだ」
二階堂さん「後5時間でしょ?」
相模川さん「さやかさん、寒いんで」
あったかジャンパーを着せかけてあげる相模川さん。
ふみちゃん「ちゃんと来て、さやかさん、ね」
そうして、無事3000個の携帯炊飯器が完成。
翌朝、なかい部長に引き渡すことができました。
わー、びっくり、ななかい部長。
相模川さん「携帯炊飯器3000個納品させていただきます」
ふむふむと、満足げに納品の山を見ながらなかい部長に近寄るふみちゃん。
ふみちゃん「この世で、最初っから不可能なことって、やっぱりないんじゃないですかね。へへっ♪」
なかい部長「社に報告してきます」
にこ、と微笑みあうふみちゃんと二階堂さん。一緒になかい部長を見送るふみちゃんと二階堂さん。どんとぶつかったりなんかしちゃって!
相模川さん「ありがとうございました、金田一さん。このまま働いてもらえたらよかったんですけど」
ふみちゃん「俺やりたいことみつかたったんで大丈夫です。あでも、これは…」
あったかジャンパーが手放しがたいふみちゃん。
相模川さん「あ、それは持って行って下さい」
ふみちゃん「いいすか」
相模川さん「お礼です」
ふみちゃん「ありがとうございます!すいません♪」
二階堂さんにもプレゼント。
二階堂さん「どうも…」
ふみちゃん「あの、それから、彼女、さやさん」
相模川さん「あ、すいません!」
ふみちゃん「あっち、お店の名前」
何それ、独占欲なの?ふみちゃん。
相模川さん「二人ともよくお似合いですよ、サイズもぴったりだし」
二階堂さん「お揃い…」
そうしてなかい部長も
相模川製作所は、新規の契約が決まったという電話を受ける二階堂さん。
ふみちゃん「おー。相模川さんよかったね」
ごつん。後頭部を棚にぶつけ痛がるふみちゃん。
しかし、どうもそれは、なかい部長が競合他社にお願いに行ったおかげらしく…。
ふみちゃん「ホットスプリングに?モアイさんが?え?またやっちゃったかあの人ー…」
その程度じゃすまないやっちゃったをやった後、荷物と共に、会社も、家も追い出されて幸福荘にたどり着いてきました。
ふみちゃん「モアイさんどうしたんですか!」
湯婆婆「家を追い出されたんだとさ」
兄「社長にはむかって会社も辞めたって」
弟「金もあんまないみたい」
なかい部長「おまえと、同じ立場になった。笑いたきゃ、笑え、よ…」
ふみちゃん「(しばしこらえるがこらえきれず)ぷぷっ」
なかい部長「ホントに笑うなよ」
ふみちゃん「モアイさんまたまたやっちゃったんだろうなーと思って(笑)それに、ここそんな悪くないですよ。なんの保障もない生活ですが、楽しいこともあるんで」
なかい部長「あるわけないだろそんなもん!」
もう帰る!と帰ろうとするモアイさんを止めるふみちゃんたち。
ふみちゃん「ややや、もあいさん(笑)!」
そして、私は?という屋台のアップへ。