稲垣吾郎様goro

12月8日、誕生日の朝。
抜けるような青空、というほどではないが、冬らしいすこしくすんだ空も嫌いじゃない。

お気に入りのコートを羽織り、朝の散歩に吾郎は出かける。

SNSを初めて以来、散歩中に公園のベンチで、ブログへのコメントを眺めたりするのが日課になっていた。
その日は誕生日の朝。いつも以上に多いお祝いのコメントを眺めていた中で、それは突然現れた。

『Goro! ハピバ! キャプテン』

「…キャプテン…?」
もちろん短いコメントもある。しかし、それにしたってシンプルすぎるし、なんだこの名前。
その『キャプテン』に続くのが。

『また老けたね。おめでとう。また老けたんだね G党』

「G党…。Goro党。いや、違うね。ジャイアンツ党…。え…?」

その次が。
『ゴロウさん、お誕生日おめでとうございます。今年もよろしくね! 草g剛』
「あぁ、うん。草gくん。…今年もよろしくって、年賀状じゃない?」
続いて。
『Happy Birthday ごろちゃん。はっぴばーすでーごろちゃん。ごろちゃん、誕生日、ね。ひろくんと、誕生日ね? #香取慎吾 #ヒロくん #ハピバ』
「香取くん……。え?」
詳しいことは解らないが、このコメント欄は、すぐに反映される訳ではなく、スタッフのチェックが入ってからだと思うが、この並びは、いったい…?そして、 こんなコメントがあったらあったで、すぐファンの人たちが騒ぎそうだが、そんな騒ぎにはなっていない。
「ん?え??」
人気のない早朝の公園で、吾郎は、きょろきょろと辺りを見回した。

第四回 SMAP全体(−1)会議

『あー、ごろさん、これ気がついたみたいー』

会議室のスピーカーから剛の声が流れる。
「ほんと、大丈夫?つよぽん!」
『大丈夫だよー、っていうかさー、なんで俺が現地で監視役なんだよー!』
「早朝の公園で草g剛、っていうのはよくねーかなとも思ったんだけど、木村じゃオーラがありすぎるし、慎吾はかさばるし、俺は寒いし」
『ひどーい』
「つよぽんはキョロキョロしないで、ごろちゃん映らない!」
剛は、GoProを装着しており、キョロキョロしている吾郎が慎吾の前のMacに映されていた。
「パリか!」
単なる公園に稲垣吾郎を配置するとパリっぽく見える説をどっかのテレビ番組に売り込んでやろうか、という風景に木村が突っ込む。
「でも、吾郎、これコメント読んだな?」
「読んだ、と思う」
「よっし」
中居が、スマホを手に、繋がったままだった通話相手に言った。
「もうオッケ、俺らのコメント消して。…消した?慎吾、消えてる?」
「…うんっ、消えてる」
慎吾は吾郎のブログのコメント欄をウォッチ。リロードして、自分達が、無理矢理押し込んだコメントが消されたことを確認する。

『ごろさんびっくりしてるよー!』

ディスプレイの3/4に映っている吾郎はスマホを見下ろしながら立ち上がっていた。

「まぁ、何だこのコメント、と思ったところに、見直したら消えてたらびっくりするよな。…っていうか!それができるお前が怖いんだけどっ!?」
「SNS、SNSだって浮かれてんじゃねぇーぞ、おまえら」
「怖い!中居くん怖い!」
「ブログのコメント欄操作するくらいできるーっつーの」
「こえーよ!」
「『技術の悪用ではありません。スタッフより』」
「誰だよ!」

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「何なの…?何が、起こるの…?」
もしかしたら雪が降るかもという天気予報。晴天ではない空が、不安を煽ってくる。

何らかの映画の登場人物になったような気分。
SMAP全体(−1)会議の行動によって、予想もしない気持ちの動きが吾郎に起こる。
結果的に、まぁ、いいプレゼントになったんじゃない?

お誕生日おめでとうございます♪

2017年12月8日

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